京都高瀬川の岸辺にあるギャラリー高瀬川四季AIR。
運営者のM氏はこの建物の賃貸契約があと一年で切れるのを機にギャラリーを閉めることにしている。
私はこのギャラリーでM氏にお会いしてから様々な人に出会うチャンスをいただいたし、それまで経験したことのないことを体験させてもらった。
私のリタイア後の生活に張りと輝きを与える要因の大切な一つだった。(現在完了進行形)
今年のギャラリーのスケジュールはかなりゆっくりしたもので、スケジュール表にはかなり空きがありそうだ。
そんなスケジュール表を「そんな大切な一年に花を添えることができるのなら、この際、個展を一部、二部と二回やりましょう。」と言っているのがこの方。
茗荷氏。

銅や鉄材を作ってオブジェを制作されている。
メルヘンチックな造形から抽象的なオブジェまでたようです。
これまでの個展のチラシを数枚見せていただきました。(チラシとフライヤーとビラ・・私には区別がつきません)
このとき階下では、すでに70年代に廃止されてしまった京都市電の各路線を走る車両を撮った写真が展示されていました。
一通り見せていただいて、さて二階にも展示はあるのかなと勝手知ったる他人のギャラリーという訳で階段を上がっていくと何やらそこでは密儀をしているようで・・・・。
頭をぬっと出すと・・・やあ、蒼樹さん、どうぞどうぞとM氏が声をあっけてくれて、その密議に交じらせてくれました。

「今年11月に、高瀬川の河川敷に立体造形物を展示するイベントがあるのでそれに加わりませんか?」と
角倉了以が高瀬川を開削して400年を記念して、京都アートカウンシルに集まる作家たちが高瀬川で京都高瀬川彫刻展を開催してきました。
それに参加しませんかという呼びかけですね。で、それに加えて、川に展示した作品と連動してこのギャラリーで個展も開催するというのです。

そういう密議が進んでいたのですが、話が進むにつれて、一度だけじゃなくて5月か6月ころに第一部としてここで個展をしましょうと茗荷氏が言い出したのです。
M氏にしたら「飛んで火にいる春の虫:です。 「いいでしょうスケジュールを調整しましょう。」
茗荷氏:「せかっくだからギャラリートークもしましょう。人は集まりますか?」
M氏:「20人やそこらは集まりますよ。もう一人参加者がいますし・・。」とこちらに目配せ。予約者一名ということですね。
M氏:「ギャラリートークの後は恒例のワイン会もしましょう。」

これですよ、これ。 ギャラリートークはともかくとして(何て言ったらら怒られますが)、このワイン会がここの魅力の大きな一つです。
いろいろな経歴の海千山千が集まって楽しく歓談ができるのです。
ワインで滑らかになった口からとても魅力的な話がどんどん出てきます。
それに近くにある精肉店の・・・あの妙に甘いやつでなく…とてもおいしいコロッケを食べながら。
- 2023/03/09(木) 00:00:05|
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芸術をする人はこの世界の違う見方を教えてくれます。
モノを作り出して、そこに世界の新たな面を発見してくれるのですね。
・・・写真では、多くの場合作り出しはしません。在るものを見てそこに何かを発見して、ほら!と示すのが写真かな。・・・

場所は白河のほとり、古川商店街はすぐそこ。

細い針金を、まるで編んでいくといったような、造形です。
ヨーロッパの街並みを思わせるような建物群が描かれます。そしてやがて・・・・向かって左の方に行くと・・・林の中に溶け込む街。
A4程の中に納まるのが一つの作品で、それを合わせてさらに大きな空間を描いています。空には気球も飛んでいますしね。
(戦争好きな連中に撃ち落とされなければいいですが。)

少し前に制作されたものはクロームメッキをしたようにくすみ、新しいものはまだ銀色に光っています。
制作していく過程で・・・意図してかしないでか・・・針金が微妙によじれたような小さな凹凸を作ります。それが照明に光る様は、ちょうど安野光雅のかすれた鉛筆の線のようです。
作品の中に人の姿も犬や鳥の姿も見えません。 それを入れると、例えばその人物の視点に制約されるような気がして入れていないのだそうです。
それだけに風景を、作品を見る人自身のイメージで膨らめることができるという趣旨です。
この抽象度がちょうどいのかもしれません。

私はこういう可能性のある、よくできた作品を見るとあれやこれや発想を飛ばしてごちゃごちゃやりたくなります。
そのアイディアを話して一緒に楽しみました。楽しんだのは私だけで彼女にとっては迷惑だったかもしれません。
それにしても、ずいぶんいろいろなことができそうです。ポテンシャルの高い作品だと思いました。

そして一通りいろいろな可能性を考えてみたうえで、元に戻って、この自制した単純さがベストなのかなあとも思いました。

若いカップルのお客さんが本当に楽しそうに作品を見て回っていました。
私は絵本作家とコラボして絵本を作ってみたらと提案してみましたが、そういうものも作ってみたいですと言っていました。
- 2023/02/25(土) 00:00:09|
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京都は大学が、狭い地域にいくつもありますから、こうして若者に出会って話すことができます。
私の郷里などでは若い人の割合は少ないでしょうね。
高校を卒業すれば就職や進学で陣とを離れる若者は、今も昔も少なくないでしょう。
これ位の年恰好の人は少ないでしょうね。

東京解体が日本の課題の一つだと思います。
税収を含めて富の多くが東京とその周りに集中しすぎています。そして人々もです。
人間こそ「生み出す」源泉ですからね。(あえて「富の」とは書きませんが。)

二十数枚の作品をとっかえひっかえ広げての撮影です。
この傾斜は撮影には都合がいいですね。
しかもこの日はまだ比較的暖かでした。
後輩たちが大活躍。
今度はフィルムカメラの登場ですか。
絞りのデザインはキャンディーですね。

これは何を描いているかわかりますか。
布が傾いているからわかりにくいでしょうが、こういうものを描くところに世代的なものと、女性らしいところとが出ていますかね。
少なくとも私には、前にも書きましたが、こういう発想はないですもんね。

三人で過ごした冬のある一日でした。
- 2023/01/29(日) 00:00:02|
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何してるんだろう? 私が近づくのは大概そういうことを感じるからです。
何か赤い風呂敷ずつ見みたいなものを土手の斜面に広げています。しかも、写真を撮っている。
それも全体ではなくて、部分を????

商品撮りかなあ。
それにしても何か、どこか違うような。

訊けば、この中の一人の人が今年で卒業で、卒業制作の作品の撮影をしているんだそうです。
そうか。染色専攻の人なのかな。
じゃなくてファッションの勉強そしているうちに伝統的な服飾に関心が移って、そうしているうちに「絞りの魅力に触れて」自分でもやりだして・・・ということらしいのです。
絞りって難しくて忍耐も必要だし、なかなか大変だったんじゃないかな。
この人が今日の主人公。
スプーンをデザインして「絞り」をしたようですね。
「知り合いから借りられるだけたくさんのスプーンを借りてデザインしました。」

その卒業を目前にした先輩の卒業制作の最終段階をお手伝いする後輩たちだそうです。
こんな大学生活の一幕。 先輩後輩のやり取りもあと3か月後には二度と経験することができなくなりますね。
私はこうした写真をほとんど残せてないですから、つい、撮っておいてあげようという気持ちになってしまいます。

当時ももカメラは持っていたのに未来の自分に向けて写真を残そうと思う気持ちが生じなかったのですね。そういう意味では、普通の人生に何が起きてどんなことを感じるようになるかということについてまるで無知だったのです。
家族の写真についてでさえそうですからね。
一言で言って小説を読むことがあまりに少なかった。

で、つい他人事ながら、残してあげようという気持ちになってしまうんですね。
こんな瞬間を作ったということを、もう永遠に忘れてしまうんですから、人間は。

またかつての経済学会学生委員会の仲間に「集まろうか。」と声をかけてみようかな。
- 2023/01/28(土) 00:00:03|
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こちらが「黒の人」です。
会場に近づくと薄暗い中にこの人が一人立っていました。 「これはなかなかいい感じだ。」と思ってつい立ち止まってしげしげと眺めてしまいました。
その非礼をお詫びしながら展示会についてお話を聞かせてもらいました。
一枚目の写真に写っているいのが、今回一緒に参加した4人の共作だそうです。
そして上のがこの人の作品。やはり黒づくめです。
黒の服にはゴールド(金)を合わせるのではなくてシルバー(銀)を合わせるのが好みなんだそうです。バックルも銀ですし、イヤリングも銀です。

服は既成のものをただ着るのではなくて、自分で少しアレンジしているのだそうです。さすがに芸術系の人です。
胸元のチェーンも面白いですね。
昔ファッションの工夫として、この人のように少しお腹を覗かせている人のセンスを褒めて「そのお腹がいいね。」と言ったら「セクハラだ」といわれたことがありました。
今日は独眼です。
昔、目病み美人という言葉、ありませんでしたか。(「目病み女に 風邪ひき男」だそうです。 後半はあまり興味ありませんね。)

学生がこの時期に個展やグループ展をするのは珍しい。
本来であれば3月にするはずだったそうです。 やっぱりね。
この目の表情を見ると、私が最初に受けたこの人の印象は大分修正されます。
話しているうちにちょっとなごんできましたか。

前髪は眼帯があるから右の額にかけているんでしょうか。それとも普段から何でしょうか。聞きそびれました。
- 2022/05/11(水) 00:00:01|
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