京都の人も東京などで個展をするんですから東京の人が京都でしても、それは当然なんですけど、そういう人たちを見ると、率直に「すごいなあ。」と思いますね。
私なんか、「井の中の蛙」にさえなっていない、ような。

先日の「ファインド・アイズ展」の時に、ある人が「蒼樹さん、これからどうするんですか?」と聞いてくるのです。
「えっ、これからどうするって?!」
即座にはその質問の趣旨が分からなかったんですね。

それは、他府県で個展をしたり、何かのコンクールに応募したり、はたまた写真集でも出したり…そういう、ワンステップ上のというか、先のことはしないのかということらしかったのです。
私は、「せいぜい10回目の個展をすることかなあ。」とかなり期待外れの答えをしてしまったようでした。
「特に何も考えていないなあ・・・。」

その人はまだ若いし、これから作家として広く認知されようと思っているようですから、私のようにうすぼんやりしているのが、理解できないようでした。
私のリタイア後の人生計画としては「第3次五か年計画」時には「写真家として」活動するというのが目標でした。
そして今その第3次五か年計画の真っただ中なんです。
「写真家としての自覚と伊覚悟を持って活動している? それよりなによりそれなりのスキルや哲学や結果としての作品を生み出している?」
これには「さあ、どうかなあ」としか答えられないのが残念ですね。

だからこの人のように「作家として生きる」と覚悟して制作している人がまぶしいです。
「何度も個展を開いて、まるで写真家のように活動しているひと」だと、ちょっと皮肉な評価をされたのも、写真展中のことでしたが、「そうだよね、『まるで・・・のよう』に、だよね。」と思う今日この頃。

どうも、結果大したことにはならないような気がします。 私の場合。
きちんと自覚した人はすがすがしいです。
- 2023/09/08(金) 00:00:04|
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ここではガラス作家さんです。
「普段の生活で目にする色や形は光の屈折で見えているらしい。」とギャラリーのHPにある「展覧会内容」にありました。
ビーカーなどの単体を二つ三つ繋ぎ合わせた作品です。

組み合わせられたモノが一つの作品となったときには、元の機能性を裏切る形になっていて、何となく「?」という感じがあるところも魅力です。
フラスコの淵やビーカーの淵のふくらみが接合部で光の屈折を微妙にしていて、また分光していますから、展示の中で、魅惑的な光を演出しています。
作品を乗せているテーブルも鏡が天板で、側面も鏡です。
天板の鏡が作品の形や光、そして天井からつるされた作品などを重層的に写していて魅力的です。

お住まいは東京だそうで、在l廊はこの日だけだそうです。
そんな「この日だけ」に出会えた幸運です。

私は、展示された作品が魅力的だと、これをどう撮るかとか、どう発展させる可能性があるのかを勝手にイメージすることがあります。
そして、大概の場合、やめときゃいいのにそのイデアを口にしてしまうのですね。
作家さんと楽しみたいのです。
でもうっかりしたことを、うっかりした口調で言うと、相当に失礼になりますよね。
この時はこの人の縦ストライプの服の模様をこの作品群の中に写し込んで撮ったら面白いだろうなあなどと。
そしてこの人のお友達の美人さんが隣におられましたので、その方を背景に立たせたり、上から覗き込んでもらうのはどうかなどと・・・そう言うことをしてみたいのに、やる機会のない私はいつも消化不良です。

長く人を撮らせてもらってきていますが、「演出して撮る」という欲望はずっと空隙になったままなんですね。
- 2023/09/07(木) 00:00:04|
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蚕の繭、さなぎ、成虫が作品の中にあります。
彼の横に見えるのが成虫です。
彼の体を照らしているのは彼の作品を使ってパフォーマーが演じたものの動画が上映されている光です。
そのパフォーマーも彼が探してきたそうです。
そして動画撮影しているカメラマンも。

私が彼を撮っていると指導教官が来て「彼はインスタグラムを通じてフランスの人に見いだされて・・・。」と活躍の様子を話してくれました。
ところが彼はポートフォリオで過去作品を見せてくれたりしたのですが、そういうエピソードは全く触れませんでした。
「なんだ、話してくれたらよかったのに。」

とにかく緑が好きそうです。
暗くて照明の色も撮影には難しい場所でしたから、「自然光のあるところでもう2,3枚撮らせてくれない?」
と場所移動をしました。
その時、「コートを持て来てもいいですか?」
そのコートもまた緑色でした。

あまりに条件が違うので大慌て。
今年も、卒展シーズンは最終盤です。
そしてこれが終わるといよいよ卒業式ですね。
彼は「バイトをしながら制作していきます。」と言っていました。
その彼に奨学金返済の重荷が負わされていなければいいがなあと思いました。

この記事を書いた翌朝のこと。「あっ、あのとき学生か?!」と思い当たりました。
昨年でしたかマロニエというギャラリーで芸術系の学生がグループ展をしていて、マスクをはじめ全身黒づくめの女子大生に会いました。彼女の作品も黒づくめでした。「緑ばかりという子もいますよ。」とその学生が教えてくれて、そこに現れた青年がなるほど緑づくめでした。今日の写真の学生がポートフォリオを開いて「マロニエでも展示をしました。その時の作品がこれです。いまとはだいぶ違うでしょ?!」と話していたとき「思い出してくれないかなあ。」と考えていたかもしれませんね。
それで2095人目のはずのこの青年は既にカウントされている学生でした。
- 2023/02/21(火) 00:00:03|
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やはり大学の卒展は楽しい。
いろいろな発想、頑張りを見せてくれる。
伸びようとしているから『聞く耳を持っている』・・・・もっとも私の話など見当はずれで役に立つのかどうかわかりませんが。

この人も実に丁寧に制作の意図や苦労を話してくれました。
通常これだけの素材を集めるだけでも大変です。費用も随分かさむでしょうし。
学生の制作にとって材料集めからお金の負担が大変です。
とにかく日本の大学は学費が高すぎる上に、自己負担の領域が広すぎます。

当面大学の入学金を廃止し、授業料を半分にすべきだと私は思います。
様々な理由をつけて徴収される実習費だとか材料費だとか人件費用だとか研修費だとか…とにかく高すぎますし、授業料の二重、三重取りです。
芸術系や医学系などでは学生負担が多すぎます。
たまたま廃棄するはずの素材を大量に大学に寄付してくれる業者さんがいて彼は助かったようです。
この素材の大半は生糸ですからね。

入り口付近で休んでいた彼のコスチュームのセンスがいいなあと思い声をかけました。
そして〔まずは君の作品を見せて。〕とお願いして案内してもらいました。
広い会場の市場の奥にありました。 専攻はファッションなんですが、相当はみ出た作品です。一見、力作だなあと思いました。
センスもいい。

通常はこのコースには1,2名しか男子学生がいないのに彼の学年には4名?5名だったかな?例年より多い人数がいてとても仲良く切磋琢磨したようです。他の人のもそれぞれに個性的な力作です。
作品にパワーがありますね。

「大学生活は楽しめましたか?」
「はい、とても楽しかったです。」
- 2023/02/20(月) 00:00:04|
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身の回りにあるものをデザインして「絞って」表現してるんだそうです。
ですから、描かれているものはいろいろあります。
これはスプーンでしょぅ。

カメラは二台体制。
一台はフィルムカメラでオリンパス・・。フィルム時代の一眼レフ機のデザインはかっこいいですねぇ。

何かそれに比べて今どきのレンズ交換式のカメラのデザインは明後日の方向のような気がします。
個人的乾燥です、いえ感想です。

この人が卒業生。
ネットで卒展の開催期間を検索したんですが…あれれ、なかなか出てきませんねぇ。
2月の・・いつなんですかねえ。 毎年行くようにしてるんですが。

メザシをデザインしたものもあったんですが、あれは何なんですかね。
それにしても、こういう発想が私にはできませんね。
手作り市や各芸術系大学の制作展に行くようになって少しづつ理解できるようにはなってきているつもりなんですが、理解するのと発想するのとではずいぶん開きがありますからね。

手前のは、がま口をデザインした?!

いろいろ教えてもらえます。
- 2023/01/29(日) 00:00:03|
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