やはり大学の卒展は楽しい。
いろいろな発想、頑張りを見せてくれる。
伸びようとしているから『聞く耳を持っている』・・・・もっとも私の話など見当はずれで役に立つのかどうかわかりませんが。
この人も実に丁寧に制作の意図や苦労を話してくれました。
通常これだけの素材を集めるだけでも大変です。費用も随分かさむでしょうし。
学生の制作にとって材料集めからお金の負担が大変です。
とにかく日本の大学は学費が高すぎる上に、自己負担の領域が広すぎます。
当面大学の入学金を廃止し、授業料を半分にすべきだと私は思います。
様々な理由をつけて徴収される実習費だとか材料費だとか人件費用だとか研修費だとか…とにかく高すぎますし、授業料の二重、三重取りです。
芸術系や医学系などでは学生負担が多すぎます。
たまたま廃棄するはずの素材を大量に大学に寄付してくれる業者さんがいて彼は助かったようです。
この素材の大半は生糸ですからね。
入り口付近で休んでいた彼のコスチュームのセンスがいいなあと思い声をかけました。
そして〔まずは君の作品を見せて。〕とお願いして案内してもらいました。
広い会場の市場の奥にありました。 専攻はファッションなんですが、相当はみ出た作品です。一見、力作だなあと思いました。
センスもいい。
通常はこのコースには1,2名しか男子学生がいないのに彼の学年には4名?5名だったかな?例年より多い人数がいてとても仲良く切磋琢磨したようです。他の人のもそれぞれに個性的な力作です。
作品にパワーがありますね。
「大学生活は楽しめましたか?」
「はい、とても楽しかったです。」
- 2023/02/20(月) 00:00:04|
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身の回りにあるものをデザインして「絞って」表現してるんだそうです。
ですから、描かれているものはいろいろあります。
これはスプーンでしょぅ。
カメラは二台体制。
一台はフィルムカメラでオリンパス・・。フィルム時代の一眼レフ機のデザインはかっこいいですねぇ。
何かそれに比べて今どきのレンズ交換式のカメラのデザインは明後日の方向のような気がします。
個人的乾燥です、いえ感想です。
この人が卒業生。
ネットで卒展の開催期間を検索したんですが…あれれ、なかなか出てきませんねぇ。
2月の・・いつなんですかねえ。 毎年行くようにしてるんですが。
メザシをデザインしたものもあったんですが、あれは何なんですかね。
それにしても、こういう発想が私にはできませんね。
手作り市や各芸術系大学の制作展に行くようになって少しづつ理解できるようにはなってきているつもりなんですが、理解するのと発想するのとではずいぶん開きがありますからね。
手前のは、がま口をデザインした?!
いろいろ教えてもらえます。
- 2023/01/29(日) 00:00:03|
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私は様々な点でとても保守的な人間です。
ですから、こうして芸術家たちに揺さぶってもらうこと下是非必要です。
幸いなことに年をとって人に訊くことに対して抵抗感がずいぶん減りましたから、その点はまあよかったなと思います。
この日もいろいろ対話ができました。
これは倒れた巨木をイメージした作品だそうです。
そう見えますか?
私は、失礼を顧みず、・・・ことに立体作品は・・・いろいろな角度から作品を見ることにしています。
写真を撮らせてもらえることになると、なお一層しつこく見ます。
ギャラリーの古びた床の色がマッチしています。
巨木の木肌が造形されています。
植物園でも展示出来たらいいねと言いますと「いや、本物にはかないませんから。」と謙虚です。
この同時代ギャラリーは「1928ビル」に入っているのです。ここは元毎日新聞社の社屋だった建物でかつては、今はカフェになっている地下の部屋でも展示会場だったようです。
この建物の入り口には下の様な案内板がありますが、これも若林さんの作品だそうです。
そして外に出るとこの建物を示すモニュメントが立てられていますが、これもまた彼の作品だそうです。
今まで何十回となくここに来ていますが、ついぞそのことを知りませんでした。
- 2022/06/01(水) 00:00:05|
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三条御幸町にある同時代ギャラリーです。
鉄を素材にした立体作品です。 作家は若林亮さん。
周囲にあるのは鉄の板に植えられた鉄棒。
この作品だけでもかなりの数があるわけですが、さらに数倍を並べたものをみたいものです。
しかし、それは言うは易く作るは大変なんですね。 こうした作品を作るには費用もバカにならないわけです。
やりたいからできるという訳ではないわけで、私のように勝手なことを言うものがあると作家としては・・・・・。
これは私のは水田の波打つ稲に見えたのですが、・・・・、彼としてはもっと丈の高いものも入れて、人が隠れるほどにもしてみたいのだとか。
鉄を素材にして造形を作る彼はこれまでにも何度かこのギャラリー(同時代ギャラリー)で個展をしてきたそうです。
私はほぼ毎週ここには立ち寄っていたつもりなんですが、過去の作品を見ていません。
それでポートフォリを見せてもらいました。
壁いっぱに鉄の板を張り巡らした作品でした。
その時も搬入・搬出が大変だったでしょうね。
今回の作品はすべてパーツごとに分解できるようにしてあり、この会場に来て組み立てるのだそうです。
この「生えている」鉄の棒も10本ほどまとまればかなりの重量があるでしょうし、土台の鉄板も重いでしょう。
とても一人じゃ搬入もセッティングもできませんね。
会期前日には深夜までかかってようやく設置できたそうです。
写真展の反悠などは、たかが知れていますね。(なんて言うと本格的に写真展を企画、展示している作家やキュレーターさんに、きっと叱られるでしょうが。)
- 2022/05/31(火) 00:00:02|
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卒展の真っ最中だというのにこの人は依然として制作中だとのこと。
そうなった事情を話して担当教官には「いいよ、それで。」と言ってもらったんだそうです。
キャプションには「焼きたくな~い」とありました。 陶芸コースなのに「焼きたくない」ってどういうこと?
「それはですねぇ。」
「わたし、焼きしめた陶器の感じより湿度のあるこの粘土が好きなんです。」
成程、素の粘土と陶器ではまるで質感が違いますよね。
この場は共有部分ですから講義などの普段の活動が終わってからでないとこの制作作業に入れないわけで、こういうことになっているんだという背景もあるようで。
この木組みの周囲を覆うような形の、そして中に潜れるようなモノを作るんだそうです。
扇風機が幾台もぶんぶん回っています。 粘土はある程度乾かさないといけません。柔らかいままでは形が保てませんから。
会期中に完成する見通しなの?と訊くと、この通りの笑顔で「 間に合うかなあ。でも何とかやってみます。」
なかなかいい度胸をしています。おおらかな人です。いいですねぇ。
そもそもこんな大きいものに一人で挑戦すること自体が、この人、大物です。
この人は制作の間中に友人たちの展示作品を見に行くことも、友人たちとしゃべりしながら互いの写真を撮ったりすることもできません。
卒展は晴れの舞台でもあり最後の学生生活の一ページです。ですからどう過ごすかはとても深く記憶に残るんじゃないでしょうか。
私は卒業式を前にして、友人たちが卒業旅行だとか、最後のコンパだとか、あるいはまた就職先への引っ越しだ、郷里に帰る準備だとかをしているときに、まるで別の時間を過ごしていました。 卒業式の答辞を読んだ後も、友人たちが互いに最後の別れの挨拶をし先生に別れを告げているときにも、一人別行動でした。仲間たちが河上肇の墓に向かってぞろぞろと行く背中を一人見送っていました。卒業の感慨にふける暇もありませんでした。
何だかその時を思い出します。
でもこの人の場合は孤独感や寂寞感とかはないんだろうと思います。最後の制作に打ち込めるわけですしね。
そして案外注目もされています。声をかけていく人も少なくありません。
カードを置いてきたので連絡をくれるといいのになあと思いながらこの記事を書いています。そうすればこの写真を送ってあげられますから。
他の誰とも違う卒展を過ごした記憶を。
- 2022/02/28(月) 00:00:02|
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