素敵な人たちと

素敵な人たちと一緒に素敵な写真を撮ります。 なお写真のコピーはご遠慮ください。

素敵な人たちと   by 蒼樹    喜怒屋哀楽さん    Ⅱ

 話芸というものも、これはなかなかに奥が深いし難しい。
 誰だって「しゃべれる」んだからといったって、だから人を惹きつけてやまない話というものが簡単にできるというものではない。
 それは落語然り、演説然り、学校の授業・講義然りです。
 「男はつらいよ」の寅さんのタンカ売だって、そうやすやすとマネできるものではなくて、相当の修練が必要です。

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 柳谷小三治さんの『時そば』を聞くと、いっぱいのしっぽくそばを食べていく過程で、やがてどんぶりの汁が残り少なくなり、汁の底に沈んだ短いものしかない蕎麦数本をすするときに、その汁の残り量や長さというか短さを、すするその音で見事に表現するのです。
 
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 この方も相当に勉強されているようでした。


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 古今亭志ん朝さんは、・・・というか名人と呼ばれる方はどの方もでしょうが・・・・口座の座布団に着くまでに、既に聴衆を落語空間に引き入れていて、最初の一斉の声音でもって、もういまではない、ここではない落語の知己と場所に我々を誘います。
 その表情がこれから出てくるだろう人物たちの醸す空気を感じさせて、もはやどこにも、今現在というものも、現実の美濃部 強次という人も存在しないのです。
 それでいて、それは見事に美濃部 強次という達人によって古今亭志ん朝が作られ、話が操られているという・・・そういうもののように思います。


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 写真もそういうものかなあと、ふと考えることがあります。  「ふと」ですが。

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 それにしても、撮らせていただいて、やはり落語は難しいものだと感じました。
 それを逆に言うと「写真というものは芸人にとっては相当酷なものだなあ。」という事です。
 
 私はよく音楽家を撮りますが、演奏の最中にその人の「真顔」というものを画面に捉えることはほとんどありません。
 とらえていてもそれと分からないのかもしれませんが。

 リハや純然たる練習・レッスンの時を撮ると、その時にはむろん真顔に戻る瞬間があり、その行きつ戻りつが、私にとってはリハ、練習の魅力なんですが。

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 落語はバカになれなきゃできないがバカにはできない。そういう難しさでしょうか。

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  1. 2018/01/25(木) 00:00:55|
  2. 伝統芸能
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素敵な人たちと   by 蒼樹     喜怒屋哀楽さん    Ⅰ

 私は寡聞にして「社会人落語日本一決定戦」なるものの存在を知りませんでした。
 アマチュア落語の日本一を決める大家だそうです。
 第九回になる今年の大会には167人が参加をしたのだそうです。そしてその栄えある優勝者がこの喜怒屋哀楽という方です。

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  小学4年生の時に桂枝雀さんの落語を聞いてからずっと落語に興味を持ち小学生の頃にすでに教壇に座って落語をされていたのだそうです。
 その後大学では「落研」を結成するなどずっと落語を語る側で親しんでこられた方です。

 これが優勝の副賞だそうで、チキンラーメン一年分。
 360個だそうです。

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 私は枝雀さんや米朝さんの落語、あるいは古今亭志ん朝さんや柳谷小三治さんの話を楽しむくらいで、特にこの方面に詳しいという事もないのです。
 敢えて言えば上方落語よりも江戸落語の方が、上方漫才よりも東京の漫才の方が好きだという位の事です。

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 この日は「時うどん」・・・・江戸落語では「時そば」ですね・・・・と大会会長である桂文枝さんの創作落語「宿題」を演じてくれました。


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 さすがに全国ナンバーワンになった方ですし、長年話をしてきた方ですから、「素人」とは言い条、大変な上手でした。

 ただしかし、このときはわたしの意識のチャンネルが天邪鬼チャンネルに同調してしまったのか、話の場面ごとに、あるいは話しぶり身振りの度毎に、枝雀さんや志ん朝さんの話しぶり身振りがくっきりと思い浮かんでしまうという事態でした。

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 それは自分でも訝しく思えましたし、「素人でもてはやされる喜怒屋哀楽さんに対する嫉妬か?!」と自分を疑いもするほどでした。
 そう思いながら、「それにしてもプロの名人、匠という人たちの力量、技の素晴らしさはなんと高みにあることよ。」と思わないではいられませんでした。
 それは多分この方の落語が上手だったからこそそういう想念が湧いたのだと思うのです。

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 例えばコンサートを聞きに行っても、カラヤン、ベルリンフィルのあの演奏の時、ノイマン、チェコフィルのあのレコードの演奏が浮かんできて、敢えて比べて目の前の演奏をくさそうとするような意識でなくて、素直に、ああ、あの演奏はやはりとてもすばらしいんだと再認識することがあるんじゃないでしょうか。

 「素人・アマチュア」が人並み外れた研鑽をつんでも、さらにはるかに高い地点に芸を到達させている名人、匠の存在は、やはり、人間の技量の可能性を示して、私たちに一つの希望を与えてくれると思うし、素人・アマチュアの夢、憧れであってくれるのだと思います。

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  1. 2018/01/24(水) 00:00:40|
  2. 伝統芸能
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素敵な人たちと   by 蒼樹   六斎念仏踊り   Ⅱ

 「念仏六斎」にはこの笛が入らないようです。
 この方は、保存会に参加してこの芸能を守っておられます。

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 8月の22日の20時に上善寺で奉納が行われるようで、
 この「六斎念仏踊り」は無形文化財にも指定されているそうです。

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 空也上人と言えば「市の聖」とも言われます。
 六波羅蜜時にある「空也上人像」は皆さん一度は日本史の教科書や資料集でご覧になったことがおありでしょう。
 例の口から南無阿弥陀仏の称念仏が仏の姿となって出ている、そうあの像で知られる方です。

 私はあの人が、「市」の聖と言われて、堂塔伽藍にふんぞり返って教えを説く人でなかったことや、教団を組織しなかったことを偉いなあと思っていたことがあります。
 宗教や政治はそうでなくちゃいけません。まして政権党と手を組むようじゃあお話になりませんね。
(もっとも空也の時代の僧の在り方は今日とは大きく異なりますので、権力との関係も同じように評価することはできませんが。)

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 私より少しお若いのですが、リタイア後の時間をこうした伝統芸能の保存継承に注がれているのです。
 「楽しいですよ!」の一言が印象的です。
 ご自身の「楽しい」が社会的な意義に結合するときに人生はますます楽しくなりますね。

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 この六斎念仏の奉仕の日、ネットの情報によればあまり多い人出ではないそうです。もっぱら地元の方たちが見に訪れているようですね。
 斯くいう私もこれまでほとんど全く知りませんでした。
 平安時代の空也について学びっぱなしでその後そうした浄土教がどうなり、踊念仏がどうなったのか、なんとなく「昔のこと…だし今はもう・・・・」と思い込んでいたのです。そういう意識は伝統という事や、その国の文化というとについての軽薄な観念の現れだなあとちょっと反省。
 (ただ踊念仏が空也の創始かどうかということについては歴史科学的には疑問があるようです。) 

 
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 伝統というのは、今があってのものですからね。

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  1. 2017/06/28(水) 00:00:49|
  2. 伝統芸能
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素敵な人たちと   by 蒼樹   六斎念仏踊り   Ⅰ

私はもうすでに長い間京都に住んでいます。
浪人生の頃からですから人生の大半をこの京都で暮らしています。
ですが、正直なところ京都のことをほとんど何もと言っていいくらい知りません。
生まれ育った郷里の事はなおのこと知りませんので、日本の事はほぼ何も知らないということになるかもしれません。
海外のことは言うまでもありません。

 さて、そんな私がいつものように鴨川べりを自転車で走っていると「コンチキチン」の鉦の音が聞こえます。

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 今年の祇園祭も7月1日から始まります。全国に有名な山鉾巡行の前祭りが17日、後祭りが24日です。
 ですから祭囃子の個人練習が始まっていてもおかしくはないのですが・・・それにしてもここは山鉾を持つ町内からはずいぶん離れています。


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 槌の頭は鹿の角でできています。これが良いそうです。
 鉦は内側の底や縁を打ったりこすったりして音を出します。「コン チキ チン」と。

 何やらつぶやきながらの演奏です。
 念仏とか御詠歌のたぐいでしょうか?

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 いえ、そうではないのです。
 鉦にも、そしてこの後吹いて見せていただいた横笛にも、いわゆる紙に書いた「楽譜」がありません。
 それで「口承」による伝えがあるばかりで、それをすっかり暗唱して演奏するのだそうです。
 それが独特の言い回しになっているのですね。

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 曲は「月鉾」の囃子をベースにしているのだそうですが、実はこの人は祇園山鉾のお囃子の練習をしておられるのではなかったのです。
 この地の近辺は昔「小山郷」と言っていました。農村部なんですね。何しろ北「山」通を挟んでいるくらいですから。
 「小山」の地名はあちこちに残っています。初音だとか、上総・下総だとかかなり広い地域です。

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 その小山郷には「六斎念仏踊り」が伝承されているのです。
 空也上人の踊念仏を起源とするとも言われているようですが、そうした宗教的な内容を保守する流れ(「念仏六斎」)と、笛を入れて芸能化する流れ(六斎念仏踊り」)とがあって、幾流かが存在するのだそうですが、私は詳しく知りません。

 小山郷のそれは芸能的なもののひとつで「六斎念仏踊り」と称しています。

 「さて、じゃあ、次は笛を吹いてみましょうか。」

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  1. 2017/06/27(火) 00:00:29|
  2. 伝統芸能
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プロフィール

soujyu2

Author:soujyu2
 人はいろいろな場所で様々な思いを抱いて頑張っています。そんな人々の素敵な表情を追いかけてみようと思います。
 「素敵な人たちと」の出会いが私をワクワクさせます。

People hold various thoughts and are doing their best at various places.
I think that I will pursue such people's great expression.
Encounter of "nice people"
excites me.


 大変恐縮ですが、無理をお願いして撮らせていただいている写真です。ご本人のためにも無断でのコピー、転載は固くお断りします。

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