写真機材レビュー動画で知られるユーチューバー、ジェット大介氏が京都写真美術館で個展をされていて、「お、そういえば・・。」と暖簾をくぐりました。
界隈で名の知れた方ですからお客さんが多かろうと、少し腰の引けた形の入室でした。
この季節、この曜日、などなどの要因もあってでしょうか、あれちょっと寂しいなあという感じでした。
たぶん、金、土、日には押すな押すなになるのでしょう。

「水辺のかたちを知る試行錯誤」が個展の表題でした。
美術館のHPにある氏の文章には「(琵琶湖は)『うみ』とも呼ばれるほどの広大さから、どこから見ても平坦な一本線が引かれているものと想定していたのである。だが、いざ撮影を開始してみれば、実に複雑な線が織りなすかたちや営みが見え始めた。本展は一年余に渡るその試行錯誤の途中経過である。」とあります。

作品はどちらかと言えば「撮影に際してはOM-1、OM-5といった可搬性を重視したカメラと高倍率のズームレンズを主に使用。アートフィルター『ラフモノクローム』を設定し、ファインダー像を粗いハイコントラストのモノクロとすることで、かたちを炙り出すような気持ちでフレーミングした。」とあるように、この機種のアートフィルターを生かした撮影に主眼があるような画面が多かったです。
霧に煙る湖畔を撮った幾枚かの写真には情感がありました。

私は、写真家という人、プロのカメラマンという人には大いに期待していて、日本の写真文化をけん引してほしいなあ、きれいな写真を撮るばかりの、またすでに撮られた写真雑誌の入賞作をなぞったような写真ばかりの現状を大きく打破してほしいなあと思っているのです。
ミクストメディアにすれば、何か新しいことをしているという、少し脇に入った写真にも不満を持っていますしね。
なかなか難しいようです。
- 2023/09/12(火) 00:00:02|
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へ~、そうだったの?!という新事実を知りました。
というか、知らなかった私がいかにも迂闊でしたね。
祇園祭の際には多くの観光客が京都に詰めかけますからたくさんの露店や路面店の店先での販売が行われるし、土産物の特設売り場はできるしホテル飲食店などはフル回転で、特別価格も・・・。
と、いうようなことは重々承知だったんですが、「この時はたくさんの人が来るので写真展を・・」幾か所もで開いている、というのです。
この「Gyallery ANNE」でも「B-FLAT PHOTO EXHIBITION」が開かれています。(期間は 17日〔月〕まで)
私のブログを覗いてくれている京・ヤスさんも作品を出しておられます。
下の写真の手前の暗い背景で女性を撮った写真は、その京ヤスさんのものです。
会場に行くと一人の女性がいてお留守番でした。 訊いてみるとこの人も出展者の一人で、入り口近い方の三枚が彼女の作品です。

もと学校という場所で撮った写真は光が柔らかいうえに、薄く緑がかかっていてカーテンの色とも手前の机の天板の反射の光などともとてもよく調和していて、とてもいい写真でした。 それにモデルさんのポーズも無理がなく、少し潤みがちに光をたたえている眼の印象もとても良く、秀作だと思いました。
この人が作者の「yuzu」さん。

この日、河原町通りにあるギャラリー・古都でも人物写真の展示がされています。
何人か出展者がだぶっています。 旺盛な活動力ですね。
で、「この近くでもポートレート写真展があるんですよ。」と教えてくれました。
人物写真は出展する人が少なくて、人物写真ばかりという写真展もそう多くはないと思うのですが、同じ時期に三か所でやっている?!
本当に、歩いて1分。

世界倉庫というところで「GALA de portraits KYOTO」(17日まで)をやっていました。気合の入ったプリント群でした。
ここと、先の「B-FLAT PHOTO EXHIBITION」を掛け持ちしている人もいました。
人物写真と言っても内容や形式は種々あります。
私の写真はドキュメントの色あいがかなりありますから、これらの出展者の人たちの考え方、価値観とはだいぶん異なります。
ですから、おのずから私自身としての評価はいろいろあります。
おっと、思い出しました。先日アップした男性3人の白黒の写真。あの人たちはこの辺りより少し北に上がったところにあるライト商会で、やはり人物を主題として写真を展示していました。
あの人たちの写真展もこうしたムーブメントの一環だった、のかな。
そしてこのギャラリーから、見える距離に「ちょっと癖のある写真」を展示しているところがあるので行ってみたらいいですよと、別の出展者の方が教えてくれた。
ということは半径50メートルくらいの中で、三か所も写真展をしているんですね。しかも、人物の。

「○○さん『を』」撮る写真、「○○さん『で』」撮る写真。 切り離しきって考えることはできませんが、考え方や撮り方、表現の仕方は相当に違うと思います。
この半径50メートルの中で展示されている写真は「○○さん『で』」撮る写真だろうと思います。
私が意識しているのは「○○さん『を』」撮る写真です。

- 2023/07/15(土) 00:00:04|
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○ さて、立命館大の写真研究会の展示を見て、毎週例会を持っている彼らの活動形態を、いつものようにおおいに励ましてきました。在京の大学で週一回の例会をコンスタントに続けて、それを伝統化しているのはこの写真研究会だけです。これに続くのが龍大でしょうかね。
ギャリエ・ヤマシタの2号館2階が会場でしたから、階下に貼りだされている展示の予定表の10月の欄に、確かに私の写真展が記入されていることを確認して、ほっと安心。

○ 次はライト商会へ。
ここでは、今日の写真のポスターに、猫を手にして写っている人物が中心となって開いている写真展にお邪魔しました。彼には私の前回の写真展の一枚にモデルとして登場してもらっています。

このところすこぶる体調が悪くて、朝起きだすことにも困難があるという彼は、いつもの気力、精彩を欠いていましたが、ぶしつけな私は「こんなに弱っている・・・でもこうして会場に来て皆の中心として存在しようとしている・・・あなたを撮っておくよ。」とカメラを向けました。彼としては相当鬱陶しかったでしょうがそれを撥ねつける元気もないようで、とても心配でした。


その会場に作品を出していた別の二人の青年にも撮らせてもらいました。写真に意識的に取り組んでいるというだけで、すこぶる親近感がわきます。
この人は鴨川のベンチで談笑する四人の「おばちゃんたち」を撮りました。 初対面の人に声をかけて撮るがこの人流だそうです。
「同じじゃないか?!」
画面の中のおばちゃんたち4人が実にのびやかに屈託なく、彼に向かって笑っている。こういう風にタイミングよく、しかも互いに気持ちよく撮れることはなかなかない。
「とてもいい感じだったので、この感じを変異上書きしたくなかったので、この時はこの一枚で帰りました。」
う~ン、潔がいいなあ。
デジタルカメラだと、ついもっとと欲が出ますね。それでさらにいいものが撮れるかというと、なかなか、ね。

このギャラリーに写真を出す人はこだわりが強くて写真自身も尖っていたり曇っていたり、ごちゃごちゃしてたり、とにかく「個性的たらん」の塊ということが多いのですが、この人の写真も、穏やかなものでした。

「君にも撮らせてもらっていいかなあ。」と。
「いいですよ。」 即座に答えてもらえました。

優しさが滲む写真です。

「お前の写真は女性を撮ったモノより男性を撮ったモノの方がいいなあ。」とはよく言われることです。実は自分でも・・密かに・・そう思っています。男性の魅力に対しては遠慮しないで半歩前に出られるからでしょうかね。
○帰り路の途中で、出町の枡形商店街にある「コンチネンタル写真事務所」で開かれている「いけにいさむ写真展」に行ってきました。もともと絵を描かれていた「いけたに」さんの写真は、ほとんど「絵」ですが、これがまた実に魅力的なのです。人物写真が織り込まれているのですが、またまた新たなモデルが・・・。「私を撮ってください。」と申し出られる方が幾人もいるのですね。私とはなんという違いでしょうか。いえ、ここがポイントではないのです。いけたにさんの事務所兼スタジオに展示された70点もの写真。見どころが多くて何度も何度も見直しました。(7/11~7/17〔月〕 14:00~19:30)
喉が渇いて青息吐息でしたが、何とか無事に帰宅しました。この暑さを乗り切るためには食事と「10時間の睡眠」が欠かせませんね。
- 2023/07/12(水) 00:00:03|
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ある方が、この人の写真を、思わずコピーしてしまったけれど、私が「コピーしないで」と書いているのに気づかれて、すぐに削除し、また私にお詫びの言葉を伝えてくれました。
大変に率直で正直な方だなあと思いました。
ただ、敢えて申し上げますが、人物写真であろうと風景写真であろうと、また、「お断り、注意書き」の有無にかかわらず、他人の写真を無断でコピーすることは絶対にやるべきことではないと私は思います。これはその方に向けてのみ言っているのではなくて世間全般に、言いたいことです。
・・・・・・・・・・・
さて、この写真を撮った日は幸いにもシグマの85ミリをつけていました。この人のような肌を持つ人を撮るにはとても相性の良いレンズだと感じました。
背後のボケもとても気持ちよくにじんでいます。

先日小雨の中で近所の児童公園に行って遊具などをプラナーノ50ミリで撮りましたが、その発色の良さと湿り気を帯びた色合いはシグマでは撮れないかなと思いました。プラナーおそるべしです。
でもそのプラナーではこの人を撮ったような「逆光」ではもやってしまった大苦戦となると思います。
現代レンズの一つの特徴が逆光耐性が大幅に強化されていることでしょう。

大昔のことですが、人を撮るときに「逆光は避けること。日中の強い日差しの時には樹木や建物の陰に被写体になる人を入れて撮ること。」と言われたと思います。 順光で人物がまともに日を浴びては白飛びしたり光でのっぺりとするか、眼窩やあごの下に濃い陰ができてしまいます。
それが今は「いやむしろ人物は逆光で!」と言われるくらいです。

たまたまこの人が手にしていた白い紙を平らに前に差し出してもらって撮りました。
「レフ版の代わりですね?」と。その通りです。 でもちょっと強すぎましたね。白いハンカチくらいが良かったのでしょうし、もう少し遠ざければよかったのでしょう。 姿勢に影響が出ない範囲で。

左手背後に人が写っています。
人の入らないカットも撮っています。 それぞれ雰囲気が大きく違ってきます。
私は「日常の中にいる」という感じがするこちらを選びました。

ひとつ前の写真もそうですが、この人訴求力がありますね。

今回はこれが一番よかったでしょうか。
- 2023/07/08(土) 10:45:07|
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☆☆ ご本人からメールをいただきまして「一部写真の写り的に削除してもらった方が良いのではということで」ということですので、写真は削除いたしました。
KG+の会場の会場です。
北大路通りが東山のふもとにぶつから場所です。
パックス画材 ギャラリーです。「多感な日常とパニックな夜」
最近JPSの会員として認められた新進気鋭の写真家さん。
プロの商業写真を撮っている方ですが、今回の展示作品はミクストメディの流れにあるもの。
会場入り口にある作品では「これが写真作品? 絵画じゃないの。」というモノ。
これだってそうですよね。
この会場は市街の中心地からはかなり離れたところにあるので・・・・近くに芸術系大学が二つありますから今日も関心を持つ若者は周囲に少なくないとは思いますが・・・よほど意識的に足を運ぶ人でないと・・・。
それで、ゆっくり懇切なお話を伺うことができて、こんな私にもある程度理解できるようになりました。
理解できるということと感興を覚えるということはちょっと位相が違ってくるので、そこらへんは保留ですが。
しかし、写真表現は実に多様化していますから、一応、視野には入れておきたいと思ってはいるのです。
人物を撮った写真を背景にして、それにアクリル板を重ねているのですが、そのアクリル板に油絵の具などで色が置かれ形が描かれたりしているのです。そうして奥のある人とアクリル板とを介して向き合う人との「懸隔」を描いていますが、その懸隔の間に挟まるものにそれぞれ意味があるようです。
私はどちらかというと「Live Hard , Love Harger」というSharol Xiaoさんが多種多様な日常の中の、しかし相当きわどい自らのヌードを数多く撮って部屋いっぱいに展示したかなり覚悟の要った作品などの方が受け入れやすいのです。
ですが、八木さんが捕まえようとしている状況というモノについても共感するところがあることは確かで、その表現の仕方の模索は理解できるところが多々ありました。
私はついにシグマの50ミリを手に入れてしまいましたが、この85ミリでと撮ってきた感覚ではとても使い物にならないだろうと思います。
これからは二つの目を持たねばなりません。 それが捉え方の幅の広がりにつながるといいのですが。
- 2023/05/10(水) 00:00:07|
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