最近〔ストリート・ピアノ」の存廃について話題になっているようですね。
文化的に貧しい国だなあとつくづく思います。
いえ、ピアノだ、音楽だということをありがたがれというつもりはないのです。
ただ自分の不都合なことや嫌悪・不愉快を感じることについてすぐに「無くせ」という人たちが多すぎるように思います。
そして言われた側もまたそういう思いを募らせた人たちに対する想像力に欠けるんですよね。

保育園の子供の歓声がうるさいとか、公園で遊んでいるこどもの声が「騒音」だとか。それで、だからそちらに消えてほしいと。こんな小児的な反応しかできない人々。
それで法律で公園の子供の声は「騒音ではない」と決めなくてはいけない国。
子供の声だからといっていつも天使の声であるわけではなくて条件次第では騒音でしょうに?!
そこに法律を入れないと自治的に解決できない、市民的な民度の低さにあきれるんですね。

この人は大学の行き帰りによくここに立ち寄るのだそうです。
少し弾くと周囲をよく見まわして次の順番を待っている人に丁寧に席を譲ります。
譲られた人の中には席を空けてくれた人にちょっと会釈してピアノに向かう人もいます。
(一人一回10分程度にしてくださいと書かれています。世間には「10分経ったら席を譲るのは当然で、自分が前の人に礼を言うような筋合いじゃない。当然の権利じゃないか。」というような理屈を言いたがる人のなんと多いことでしょう。)

特にお稽古として「習った」訳でも先生についたのでもないけれどユーチューブを見て弾けるようになったんだそうです。「いろいろ弾き方を教えてくれる動画があるんですよ。ほら。」と見せてくれました。
で、スコアは読めないけど弾けるのです。 いいですよね、今風です。 どんなところからアプローチしたってピアノ(音楽演奏)が楽しめることはいいことです。

写真を撮られることや、ブログなどで公開されることについては抵抗があったようです。
私は例によって強く説得することもしつこく頼むこともしません。
でもこの人の中に自分の成長についてのある問題意識が育っていたらしく、時間をかけて少しずつ受け入れてくれました。

この辺り真摯な青年らしいですね。
- 2023/05/16(火) 00:00:04|
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反対岸を自転車で走っていると管楽器の豊かな音が聞こえてきました。
でも、管楽器であることは間違いないのですが、果たしてその楽器は何だろうとちょっと確かには決めかねていました。
近づいてみてみると「尺八」ではないですか。
確かの尺八の音色かなとも思ったのですが一つ一つの音が「定型」を持っているような洋楽器の音にも思われました。
「揺れ」のような尺八特有の音がはっきりとは聞き取れないのです。

西洋楽器と合奏できるように改造された現代尺八だそうです。
和楽器は合奏するとお互いの音が微妙にズレマス。それが独特の音の魅力になったりしていますが、オーケストラなどが発達した西洋音楽では、古代はともかくとして、そういうズレは認められません。
尺八人口はどれくらいいるのか知りませんが、この方は教室も開いてきたほどの人です。
京都の尺八根本道場と言われる明暗時や、妙広寺など尺八ゆかりの寺があります。
私のために「アメイジング・グレイス」を吹いてくれましたが、ポップスや演歌も演奏するそうです。
半音がしっかり誰でも出せるように穴が工夫されて洋楽と同じ音階で演奏しやすく改良がなされているのです。
だからと言って、おなじリードのない笛の仲間でも、リコーダーのように誰でもある程度の音は出せるというようなものではないので音を出すところから難しいことはかわりがありません。

音量も豊かに出るようになってきているんだそうです。
演奏する社会的な環境が変化していますからね。その点は西洋のフルートやバイオリンやピアノだっておなじです。

ついこの前は外国に人が動画で撮っていったよと。
「ワタシのは残念ながら音までは記録できません。」とわたし。

この場所を利用して楽器の練習をする人は幾人もおられるんだそうで「私が終わったら、午後には多分別の人が来るよ。」と教えてくれました。
もうこれまでたくさんの人をこの鴨川で撮ってきましたが、まだまだ出会えていない音楽愛好家さんたちがいるんですね。
興味津々です。
- 2023/05/12(金) 00:00:04|
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昨日から国立博物館と道を挟んで西側にある「世界カフェ」でほかの絵を描く方や写真を撮る方と一緒に作品を展示しています。
桜の季節以後多くの海外からのお客さんが少人数の団体で訪れているそうですが、これからどうでしょうね。
個展の時のように会場に張り付いているわけではないので・・・京都グラフィーの期間ですから、私のお尻が落ち着きませんし。・・・皆さんと交流できるわけではないですが、お近くに来られるようなことがあれば、覗いてみてください。
ただ私が気に入らないことに「作品を見るだけですが入れますか?」が通用しないかもしれないのです。
最近、PENTAX K-3 Mark III Monochrome と ライカM11モノクローム というモノクロ専用機が相次いで発売されたようですね。
ライかは以前から専用機を出していましたが、モノクロしか撮れないのになんであんなに高価なのという方もおられましょうね。

ここで日本のカメラメーカーがモノクロ専用機を出したのはどう受け止められますかね。
私はフジのモノクロへの拘りは歓迎していて、専用機を出さないかなあなんて思っていたのですが。
たまに見る銀塩フィルムでのモノクロ写真はデジタルのそれを比較してまだまだその魅力は大きいと感じるのです。

私はこうして白黒で撮ることが多いですが、あの諧調をぜひ欲しいと思うことが多いです。
幸いシグマのレンズとニコンのカメラの相性がいいのか、白黒の感じは良好だと思いますが、やはり諧調の豊かさと光を描く世界の底まで維持する絵はなかなかできません。あるかないかの足し算では限界があるんでしょうかね。

それにしてもペンタのモノクロ専用機が約30万円。ライかに至っては 「ライカM11モノクローム」がライカオンラインストアの価格で1,386,000円(税込)。記入ミスなんじゃないのと腰を抜かします。それでも早速購入という人たちがたくさんいるのですから世の中狂ってるね。(嘆息)
- 2023/04/26(水) 00:00:07|
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四条大橋の下でした。
とても楽しそうにヴァイオリンを弾く人がいました。 そして一人の日本男性が話しかけては耳を傾けていました。
どうやら会話は・・・・う~ンよく聞き取れないけど、日本語に英語混じり? イヤ日本語かな。

アメリカ人だそうです。奥さんの故郷が日本。
そういう訳でもう長く日本との行き来をしているとのことです。

京都にマンションをお持ちで、だから京都についても一家言以上の思いを抱かれています。
話しかけたら、京都の現状の悲惨さについて話が弾んで・・・・こんな悪い状態について話すが「弾む」というのはおかしいですね。と言って「盛り上がる」ってのも・・・しまって、なかなかカメラを向けられませんでした。
ここが難しいんですよね。
それで話がひと段落した時に、演奏を続けてくれますかとお願いして(実はこの時に人と会う約束があったので時計も気になるし)撮りました。しかもkの方、絵になりそうなんで。
いつでも度の撮影のチャンスも千載一遇ですから逃がせないんです。

このヴァイオリンは1750年前後のものだそうで…、でも特に名器という訳でも高価というものでもないとおっしゃるのですが、その年代のものを現役で使っておられるということが尊いですよね。
どうやらバロックの時代のモノでその後にネックを長いものに取り換えられているらしととのことでした。背面を見ると確かに塗料に塗り替えの跡が見えます。弦を長くして音量を増したりする要求があったのでしょうかね。

この日の数日後にはアメリカに帰るという予定だそうで、出会えたのはラッキーでした。

写真データをお送りするとお礼のメールをいただきましたが、「I’m very happy to see those photos - You’re a fine portrait photographer! And I enjoy talking with you. Let’s meet in November when I come again to Kyoto!」と書いてくれて、こういうことが本当にうれしいんですよね。
私はこれまで一度も写真コンテストに応募したりしないできました。だから入選だ入賞だとかという経歴もありませんが、こういう方たちの言葉が「自信と誇り」になっています。
- 2023/04/25(火) 00:00:02|
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たくさんの方がお集まりなのはこのギャラリーオーナーのMさんのつながりの広さ強さの故ですが、それだけではなくてCOVID-19の感染がかなり沈静化しているこの時期に「集まって楽しみたい」という心理がおおいに働いているのだろうと想像します。
高齢者ばかりのこの集まりにはさらにもう一つ人生的な深層心理も働いているのではないかな、と。

男性の健康寿命の平均値が73歳をやや下回るくらいだと聞いたことがあります。
平均値がそうであるということはざっとしたことを言えば半数の人が、これ以前に無視できない体の不調を抱えてなくなったということですよね。
この会場には命にかかわる大きな病気をしたけれど幸いにも大手術が功を奏して、いまは以前より健康に生活できているという方がおられました。

私は幸運にもこの平均ラインをほんのわずかに越えました。 自転車で走っている時にこの年齢になってまだこうして若い人たちの流れに乗って走れていることはうれしいことだなあと思うことがあります。
これからの時間を大切にしたいと思います。

聴衆の年齢層に合わせて滝廉太郎の「花」や武満徹の、よく知られた現代音楽ではない、日本の音や言葉を大切にした小歌曲を歌ってくれました。

私の隣に座を占めていた、私より一回り先輩になる方が「ちょっと失礼。電話がかかってきたので・・。」とお客さんをかき分けて外に出ました。何しろ忙しい方ですから、こういうこともあるだろうくらいに考えていたのですが、なかなか帰ってきません。
どうしたのかなと思っていましたらかなりの時間を過ぎて戻られました。
そして曲の途切れたときに「皆さん、皆さんの若い時代(私たちの世代を、とおっしゃったのかもしれません)を象徴するこの歌を一緒に歌いませんか。」と楽譜を取り出して親しい間柄のピアノ演奏をしているHさんに楽譜を手渡しました。
初見で演奏しろということですね。むろん彼にとっては造作もないことでファゴット奏者もすぐにそれに応えました。
歌は「夢で逢いましょう。」
「私たちにとって六、八は大切な存在ですね。」とWさん。「九も入れてくださいよ。」と声がかかります。
永六輔、中村八大そして坂本九。 その世代にしかわかりません。

この譜面を持ってきたWさんは80才台。ご自宅が少し離れたところにあるのですが、皆で歌いたい。皆に楽しんでもらいたいと走って取りに帰られたのです。 この積極的で活動的な精神と行動力。

次のこの会はいつになるかなあ。
私がここで個展をすると言ったらオーナーのMさんはこういう企画をしてくれるでしょうか。
- 2023/04/21(金) 00:00:01|
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