京都の町でも急速なスクラップ&ビルドが進んでいます。
それは一面では避けられない理だとしても、それが野放図に、まるで無政府的に進行していますから「街の景観」などという意識的なものはかすかにしか見ることができません。

私的所有権の横暴さがむき出しに進行しています。 文化都市だとか千年の都だとか言っている京都のおいてさえこの現状ですから、ほかの都市はおして知るべしです。
世界中から観光の人日をを呼び集めていますが、果たしてこの街に・・・鴨川などを覗いてほかに…見るべき街としての景観などあるんでしょうか。
そういう街として、面としての景観を作る問題意識自体が極めて薄いように思います。
神社仏閣という点しかないのです。

この建物自身、ごく普通の住宅をリノベーションしています。
階下には開放的で快適そうな浴室と浴槽がありました。 その浴室から広い窓越しに緑の空間を眺められます。 狭い敷地を良く生かしています。
建築にはこういう工夫と効果を期待できます。 よい建築設計事務所がたくさん生まれて活躍してほしいなあと思いますね。

その分野で未来を支える人です。

撮らずに…注目せずに…いられませんよね。

後日、別の場所である建築専門学校生の卒業制作を見ましたが、中に極めてユニークな作品を見つけました。
私はこれまで多少のそうした昨比にゃ提案を見てきましたが、いまだかつてない発想でした。
残念ながら作者は会場にいなくてお話ができませんでしたが。 訊くと、まだ若い女性だということでした。
「めったやたらに褒めている人間がいたとお伝えください。」とその場にいた学生にお願いしました。
- 2023/03/02(木) 00:00:01|
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昨日紹介したジャスさんの写真が展示されている「gallery OHA」を管理している建築設計事務所?のスタッフさん。

ここには建築モデルも置いてありますし、建築写真も展示されていますから、大事な一員です。
そのスタッフさんに「撮らせて。」とお願いしました。
私は少しだけ建築に今日も関心がありまして、芸大の建築デザインのコースの卒業制作作品の前では結構な時間を費やします。

日本の学校や保育園、あるいは病院などがもっと良い建築思想で建てられていたらなあと常々思います。
むろん個人の住宅や集合住宅などの思想(哲学)的貧困には目に余るものがありますね。
オフィスも例外ではありませんね。
とにかく人間を尊重する思想が貫かれていない。
そんなわけでこうした分野で活躍する人と話をするのはとても楽しいです。
建築分野にももっともっと多くの女性の参入がぜひとも必要だと思います。
男に任せておいたんじゃだめです。

リケジョなんて言葉が一時流行りましたが、そんな言葉がはやることにこそ日本の男女平等の水準が劣悪だということが現れていますよね。
- 2023/03/01(水) 00:00:04|
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寒さが緩んだ日、鴨川の人出が増えました。
そんな中でまだ枯れ色の芝の斜面に仰向けに寝転がって、開いた本を顔に乗せて、一休みの青年がいました。
そののんびりまったりした様子がいいので、ちょっと顔を上げたときに、近づいて声をかけました。

一方で、のべつ幕なしにスマフォをのぞき込んでいる若者を見ているので、こうして読書する人を見るだけで、何かうれしくなります。
断言します。青春期にはどしどし読書しなくちゃだめです。いえ、それは青春期に限りませんが。

この人は大学では、私の理解を数等越えたことを勉強しているようですが、その頭を実感のある現実に引き戻すためにも?それとは違う分野の読書をしているようです。
よくここにも来るようです。

ちなみにここのところ、私が読んでいる本は『ジェンダー写真論 1991-2017』(笠原美智子著)です。 再読でようやく意味の輪郭が見えてきたように感じます。
こういう本に語られている写真家が残した写真と私の写真との懸隔はなんと大きいことでしょう。
彼の咬肌?の強さを見てください。 きっと強い意志、集中力を培うような勉強や運動をしてきたのでしょう。
目の力を見ても、たぶん読書力もかなりのものだと思います。

「撮らせてくれませんか?」を手掛かりにこうして若い世代の人と話すことで刺激を受けたり、忘れていたことを思い出すことができます。
何より普段使わない「単語」を使えることはうれしいことです。
私たちには頭にはあるけれど表立って使わない言葉がたくさんあります。 そういう言葉を使って対話することのできる人に出会うことは稀だからです。宝の持ち腐れですかね。
この人が自然科学系の勉強をしているということで昔、科学誌や技術史を少しだけかじったときに覚えた言葉を使うことができました。 普段こういうことはありませんね。
だからこうしてたくさんの人に出会うことが私の脳を少しだけ活性化してくれているんだと思います。
老化防止、ボケ防止、認知症進行防止・・・・。
向こうにも読書する若い女性がいます。 相似形になっていますね。

好青年でした。 家に戻って確認したらこの青年が2091人目の人でした。
- 2023/02/14(火) 00:00:06|
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私は自分自身の大学生活にいろいろ忘れ物をしてきているので、つい大学に思い入れをしてしまうようです。
と同時に大学は、この社会の中の貴重な理性と自由の「資源」だと思うので・・・。
たぶんそれで卒展巡りもするのだと思います。 そんな中で・・・。

自身の実際の行動によって思い≒思想を現実化する人こそが思想家(含む:芸術家)だと思います。
そういう意味でkの人がキャンパスの片隅でこうして行動していること…例えば背後にたこ焼きの赤ちょうちんをぶら下げた小屋を作ってしまったことなどなど…は立派に芸術行為だと、私は思っているのです。

ここで火をたいたりテーブルやいすを置いたり、簡易店舗状の構造物を置いたりして、そこに誰かが何かのイメージを持ち込んで動き出したら、この場がそのイメージを体現して変容するというモチーフはとても面白いと思いました。
その一方あのたこ焼き店に踏み入って「たこ焼き屋のお姉ちゃん」を演じることを楽しむことができる人がいて、ほかの誰かが、お客の役割を演じれば、ここは一つの舞台です。
保育園などの実践にそういうものがありますが、コスプレを楽しむ人たちがいるように、他者になることは楽しいことですし、自己発見のきっかけになることさえあります。
そういうことを勘定に入れてこの場を作ることは実に意識的なことです。ですからだれがどういうイメージを持ち込んでもいいような曖昧さや多義性の仕掛けがあります。
そこが大学で研究する人の研究者たるゆえんですね。

そしてそういう仕掛けを楽しむ学生がいることが大学の質の豊かであるか貧しいかということを示すでしょうね。
こういうことを規則にないとか言って排除するようなものは既に大学としての資質を疑われていいでしょうね。

まあ、制作を事とする大学ですかこそ道具も『廃材』もふんだんにあるわけですが。 たぶん発想も。
この方といろいろ立ち話をして「ところで人物写真を撮っているんですが・・・。」
「そういう風に交流をしたうえで撮ることの了解を得るっていうやり方、いいですね。」と言っていただきました。
さて、下の女性は先ほど彼女の作品の中で(一部屋を使った展示でしたので)いろいろな対話をしたばかりの人です。
他を一周して戻ったらここでお二人でまったりとお話ししていましたので、撮らせていただきました。

北西の風が強くなって時雨れてもきました。
この辺りは彫刻を学んだ人たちの作品が展示されているのですが、古い観念で見て回ると「どこの彫刻があったのの?」ということになります。
ここの彫刻の人は「はみ出したり変容したりしている人が多い。」のだそうです。 学生の自由の意識と自律の意志をとても強く感じます。

例年『もう少し遊んだらいいのになあ。』と思わないではありませんが、多くの学生が真摯に探究の姿勢を見せています。
う~サブ。

学生のころ、中部地方のある大学に行ったときに、夏休みの暑い一日、ひたすら大きな石と格闘して鑿とハンマーをふるっている学生がいて、とてもうらやましく思ったものでした。
そうでしょ、そうでしょ。

熱いお湯が沸いています。
- 2023/02/11(土) 00:00:02|
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京都市内には4つの芸術大学があり、そのほかにも京都教育大に芸術のコースがあったりしますから、今の時期卒展ラッシュです。
すでに嵯峨芸術大学の卒展は終わり(せっかく京都市立美術館でやってくれていたのに、残念ながら見逃しました。)、京都芸術大(旧造形大)があって、8日からは京都市立芸大、その次が精華大です。
造形大が大学名を、大方の批判を押し切って、京都芸術大学と改めたことに釈然としない私は「瓜生山」に行くなどと言います。
さて学生には罪はないですから私は楽しみに見に行きますが、今年も各所に力作が見られました。
と、そんななかで 写真の展示のある建物に行くと・・・・。
私の一歩先にいて熱心い作品を見るこの人がいました。
ポートフォリオまで丁寧に見ています。 その恰好がとてもいいんですね。

パンツと言ったらいいんですか、ズボンというのが適当なんですか、ちょっと腰の下あたりからふくらみがあって・・・ちょっとにっかぼか的な・・・・、しかもウールの質のよさそうなものを穿いています。
上背がありますからそれで様になっています。

途中で追い越して、私は先の会場を見て戻ってきますと、まだこの部屋に一人で熱心に見ていました。
かなり写真い関心がありそうですし・・・・思い切って声をかけました。 「写真を撮らせてくれないかなあ。」
何かしているところに声をかけるとか、出品者で話しかける機会を持ちやすいとかではなくて、まるっきり何かの前提がないのに男性に声をかけることは稀です。
ちょっと驚いたようですがOKしてくれました。

それもそのはず、と言ったら侵害だといわれるかもしれませんが彼も写真を撮っている人でした。それだけではな・・・一方ですでに働いていますから・・・この大学の通信で写真の勉強をしている人だったのです。
仕事は映像関係だそうです。
ズボンもグリーン系で、上着の下に来ている服もグリーン系です。
このざっくり感もいいんですが、フランス軍のものだというこのズボンの質の良さが全体をスマートに決めています。
ザクりしても、垂れない、撚れないんですね。意識されたコーディネートです。
- 2023/02/10(金) 00:00:03|
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