今私たちが話しこんでいるこの場所は、もともと陶芸教室をしていた空間で、今は貸し工房になっている。
「歯」をモチーフにしたあの若い作家さんは、ここで製作している。そしてその作品のいくつかを、この魅力的な「雑然」の中に置いている。
ここで作るモノにももっとあのカオスに感化されて、枠を破って制作したらどうだといっているんだが、なかなか皆おとなしくて・・・。
こんな顔して挑発されても、若者はたじろぐよね、と思いつつも70年安保・学園紛争くぐりぬけの「むじな」同士としては、大いにくすぐられるものがある。

飯を食っていく方法はいくらでもある。ネット社会なんだからかこれを活用しない手はない。ネットで売り買いするだけでなく、そこに直接声を聞かせ姿を見せる方法を加えて相手の信頼を勝ち得る仕事をするんだ。そういうことをちゃんとすれば食っていけるぐらいにことはできる。そういうこともおれは教えるよ。
それに並行して、世に阿るんじゃないモノを作れって言うんだ。

ある人の言葉で「余生なんてものはない。つまり余っている人生なんてないんだという言葉が好きだね。」 やりたいことの前には「余った、消化試合のような時間はないのさ。」
今やり始めていること、これからやりたいことが次から次へと出てくる。そして「やってきたこと」が確かにある。

普通大ぶろしきは空っぽだと世間の相場はきまっている。だがこの人の風呂敷は「常識」にとらわれた目には「がらくた」と写る宝物がぎっしりゴロゴロとつまっている。見る目がなければガラクタのまま。
欲しがっている人はいるんだ、その欲しがっているということに気づいてモノを発掘するかどうかだね。

この人の経験、この人に見えているモノは私の枠を超えている。
また何度か足を運ぶことになりそうだ。
楽しみがまた一つ増えた。
- 2012/10/04(木) 00:21:29|
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すっかり日本での日常に戻られたようですね。
自在に動き回れて、ご自身でコミュニケーションがとれるって、ホントに楽しいことですね。
体育会系の演奏家さんたちの写真も楽しそうで好きですが。
今回の方は、また何と言うか、「師匠」とお呼びしたいです。
「まあこれでいいか」って自分で手打ちするところを、「おい、お前、本当にそれでいいのか?!」って耳元で囁かれる感じがしました。
- 2012/10/04(木) 22:03:29 |
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- Shin-Lu #-
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コメントありがとうございます。
まあ世の中にはいろいろな人がおられるもので、自分の狭い世界をぐっと広げてくれますね。
それにしてもこの人は耳元で「囁く」のではなく、唾を飛ばして「そんなんでいいのか!!」とどやしつけてくれるかもしれません。
- 2012/10/05(金) 10:09:01 |
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- soujyu2 #-
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