私がいつものようにギャラリー巡りのために寺町を下っていると向こうから見慣れた人が歩いてきた。
大学の先輩であり大学寮の先輩でもあるその人はこれまた見慣れたタスキをかけて秘書と思しき人を連れて、全く昔のざっくばらんな好青年のままに歩いていた。
「やあ、穀田さん、これからどちら方面へ?」
「・・寺町をね。ずっと向こうへ・・。」と私が今来た方向をさして・・・・・。
「写真撮っていいですか・・・・。」
「どうぞ。 どうしたらいい? こんな風でいいかな。」
「OKです。」

そう言えば10月10日は総選挙の公示日でした。
こんな会話をしたからといって特に親しいという訳でもなく、彼にしてみれば、そういえばこんな顔が記憶の網の隅の方に引っ掛かるなあという位のものですが。
現在の共産党は志位氏、小池氏とこの穀田さんが顔と言ってもいいかなと思います。
毎日新聞の記事をお借りすると
「国対委員長在任20周年記念、与野党の重鎮300人ズラリ
共産党の穀田恵二国対委員長は30日、委員長在任20周年を記念する祝賀会を京都市内のホテルで開いた。大島理森衆院議長や自民党の二階俊博幹事長、民進党の横路孝弘元衆院議長をはじめ、与野党の国対委員長経験者ら約300人が出席。共産党の集まりに与野党の重鎮が名を連ねるのは異例で、野党第1党の民進党が低迷する中、国政選挙や東京都議選で躍進が続く共産党の存在感が際立つ形となった。 」
「 ♫ 学校(≒大学)出てから十余年 …♪・・」という歌がありました。卒業してから過ごした時間は穀田氏と私とであまり大きくは変わりませんが、方や国会史上に名を残す人となり、方や・・・・という訳です、・・・・。
選挙カーを背景に入れたほうが選挙戦らしいかな。

彼の気さくな性格は人と接するときに如実に現れますが、演説にもよく現れます。
舌鋒鋭いだけでなくいつもユーモアに富み言葉遣いが庶民的なのです。
寺町のなじみ深い商店主らの顔を認めては手を振り握手をし話しかけています。 何も大げさなことはなくて、また下卑た票欲しさからする慇懃さもありません。

共産党が野党4党の共同を唱えて現実的に進めてきたことがいま政治の局面を大きく規定するようになってきています。
自民党などの諸君が野党共闘を野合だ野合だという決まり文句で批判しているつもりになっていますが、すでに60年代から「統一戦線」の模索として理論的にも実践的にも岸に繰り返し寄せては返す波のように熟成させてきた日本民主化の戦略的な方向性なのです。
民主主義を徹底させた果てにしか社会主義の実現はない・・・・どうもそれが共産党の確信のようです。

先の国政選挙では4党連合が沖縄で安倍自民党勢力に対して痛烈な打撃を与えて、日本の平和と民主主義の潮流がどこにあるかを示しました。
にもかかわらず共産党を自党を食い荒らす「白アリ」としか見られない前原氏は、民主党の左傾化に耐えられなくて民主党を解党して党を極右派小池氏の前に投げ出してしまったのです。
枝野氏が立憲民主党を立ち上げるや否や枝野氏の選挙区の共産党候補を下ろしました。
自由党の小沢氏の選挙区も然り。 これが最近の共産党の政治的成熟を示す一面ですね。しかも機敏です。方向性が明確で揺らぎがないからでしょう。(ただ、降りることになった候補者一人一人からすれば他党の場合とは大きく異なって「俺が俺が」という意識から出ているのではないにしても内心はちょっと複雑なものがあるのかなと想像します。家族の同意を得たり自分自身も気持ちを奮い立たせて候補者となることを決めた経過もあるでしょうしね。)
今は憲法に基づき、国民の意思を尊重して政治をするという当たり前の民主主義が危機に直面しています。政権党による国会無視は目も当てられないほどですね。
北朝鮮の核開発・ミサイル発射に対して軍事的恫喝でしか応えることができず日本を敢えて戦争のふちに立たせようという安倍政権が「国難」をもたらしています。
国民の生活は格差がさらに深刻に拡大して圧倒的多数の庶民は「働けど働けどなお我が暮らし楽にならざり・・・・」を日毎に実感しています。
もはや待ったなしの現状では反安倍勢力で立憲主義を誠実に実行しようとする勢力との共闘は、他の政策や世界観の違いを脇において進めなくてはいけない最優先課題なのだという共産党の判断なのでしょう。
穀田氏も演説の中でこういう趣旨のことをいっていました。
共産党は嫌いだという方もおられるでしょう。しかし憲法九条を改悪して戦争に道を開く政治を止め、森友や加計問題のように政治を私物化するのは許せないという方は安倍政治をやめさせるという一点で共産党を、また市民と結ぶ野党を押し上げてもらいたい、と。

京都では前原氏も立候補する。共産党が獲得する票と前原氏の獲得票の動向は今後の政治の流れを見るうえでも興味あるところです。
立憲民主党の幹事長になった福山哲郎氏(参院)も京都から出ていますが、 京都は再び自共対決の鮮明な街になるような気配ですね。 やはり全国の政治状況を先駆けて映し出す街の一つです。
(因みにこの福山氏。私たちの写真展にふらっと顔を見せたことがあります。その時に国会議員然として説明や案内を求める風もなく、一人の来場者として丁寧にそれぞれの写真を見て回り、特に注目を求めることなく極自然に振る舞っていました。特に面識のない私などは初め彼とも気が付かないくらいでした。好感が持てましたね。それにしても四六時中人の視線を浴びている国会議員というのも大変な仕事だなあと感じたものです。)
その先頭にいるのがこの人だということになるのでしょう。
一しきり演説を聞いて、私は予定のギャラリー巡りに戻りました。
- 2017/10/12(木) 00:00:45|
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早速見ていただきありがとうございました。
公示日に彼に出くわすとは思いませんでしたが、たまたま演説と演説の間の移動地点で出会ったのでこのチャンスが生まれました。
もっとも、本文中にもありますが、彼の気さくな資質と大衆性があればこそでしょうね。
- 2017/10/15(日) 16:40:40 |
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- soujyu2 #-
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