私はもうすでに長い間京都に住んでいます。
浪人生の頃からですから人生の大半をこの京都で暮らしています。
ですが、正直なところ京都のことをほとんど何もと言っていいくらい知りません。
生まれ育った郷里の事はなおのこと知りませんので、日本の事はほぼ何も知らないということになるかもしれません。
海外のことは言うまでもありません。
さて、そんな私がいつものように鴨川べりを自転車で走っていると「コンチキチン」の鉦の音が聞こえます。

今年の祇園祭も7月1日から始まります。全国に有名な山鉾巡行の前祭りが17日、後祭りが24日です。
ですから祭囃子の個人練習が始まっていてもおかしくはないのですが・・・それにしてもここは山鉾を持つ町内からはずいぶん離れています。

槌の頭は鹿の角でできています。これが良いそうです。
鉦は内側の底や縁を打ったりこすったりして音を出します。「コン チキ チン」と。
何やらつぶやきながらの演奏です。
念仏とか御詠歌のたぐいでしょうか?
いえ、そうではないのです。
鉦にも、そしてこの後吹いて見せていただいた横笛にも、いわゆる紙に書いた「楽譜」がありません。
それで「口承」による伝えがあるばかりで、それをすっかり暗唱して演奏するのだそうです。
それが独特の言い回しになっているのですね。
曲は「月鉾」の囃子をベースにしているのだそうですが、実はこの人は祇園山鉾のお囃子の練習をしておられるのではなかったのです。
この地の近辺は昔「小山郷」と言っていました。農村部なんですね。何しろ北「山」通を挟んでいるくらいですから。
「小山」の地名はあちこちに残っています。初音だとか、上総・下総だとかかなり広い地域です。
その小山郷には「六斎念仏踊り」が伝承されているのです。
空也上人の踊念仏を起源とするとも言われているようですが、そうした宗教的な内容を保守する流れ(「念仏六斎」)と、笛を入れて芸能化する流れ(六斎念仏踊り」)とがあって、幾流かが存在するのだそうですが、私は詳しく知りません。
小山郷のそれは芸能的なもののひとつで「六斎念仏踊り」と称しています。
「さて、じゃあ、次は笛を吹いてみましょうか。」

- 2017/06/27(火) 00:00:29|
- 伝統芸能
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はじめまして!
前から思っていますが出演する人たちがほんとにタイトル通り『素敵な人たち』で輝いています。
この素敵な人たちにどうすればめぐり合えるのでしょうか。
きっと・・・soujyu2さんのお人柄にもよるんでしょうね。
- 2017/06/27(火) 17:35:03 |
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- 吟遊紳士 #-
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> はじめまして!
はじめまして、こんにちは。コメントありがとうございます。
本当にあちこちに「素敵な人」たちがいて、その人たちに出会えるのはうれしいことです。
「どうすれば巡り合えるか」 何かよい手立てがあればいいのですが。
今何かおかしな空気が漂う世相ですから、なおのこと一人でも多く「素敵な人」に出会ってご紹介したいですね。
- 2017/06/27(火) 18:13:05 |
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- soujyu2 #-
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