染色された部分の間に白地の部分が交互にありますが、そこには別の柄が入ります。
今、色が施された部分二つとそれに挟まれた部分とで一枚のストールの長さになります。
幅は、この長く続いた布の幅の半分です。
京友禅の「手捺染」という手法ですから「色に深みがあ」るのだそうです。

この工場は京都市の北区にある岩倉という地域にありますが、「岩倉の住宅地ってこんなに北まで続いていたの?」と思うほど奥まったはずれにありました。
染色工場ですから郊外に立地せざるを得ないのでしょう。
社長さん曰く
「ストールは私の趣味なんです。本業は布地のプリントなんです。」とのことです。
他業者からの注文ではデザインも色指定も「注文」になるけれど、ストールはご自身が気に入って依頼した作家さんの原画にもつづいて制作するということで制作も販売も熱が入るということかなと推察しました。
それで「写真を撮ってみてくれないか。」というお話になったのでしょう。まさに自社ブランドですから、やりがいがありますよね。

私はこの話をしていただいた時に
私がしているアクセサリーやフラワーデザイナーの方を思い浮かべました。
そして、もう一つはこのストールがぴったりあって映えるだろう方をフォト・マヌカンとして思い浮かべたのです。
そういう人たちと社長さんの自慢のストールとのコラボは実現できないかと。
むろん撮影は、不肖このわたくし目ということで。

「そうすればお互い生かしあえますよね。」と賛同をいただきました。
そして、もう一つ、この「染めの さきら」さんのHPを見ると
「社名の「さきら」とは、京ことばで将来(未来)を意味します。
高齢化が進む京都の友禅業界(型による手捺染)で、
熟練した職人の知恵と技術を20年後、30年後へ引き継いでいける若い人材を育てながら、
京都の伝統工芸、京友禅、手捺染業界の未来に貢献し、共に進化していきたいと考えております。」とあります。
これを応援したいなという気持ちがわきます。

さらに
「 学生の街である京都では、芸術やファッションを志す学生がたくさんいます。
しかし残念ながら、多くの学生が学んだ力を表現できる場が限られているのが現実です。
さきらの庭では、京都に集う若き才能ある皆さんと一緒に、
一枚の布に自由で新しい感性を表現できるアートな庭を造っていこうと思います。
私たち、さきらの仲間と共に種を蒔いてみませんか? 」とあります。
私のブログの精神とも通います。
すぐに知らせたい若い作家もいます。

求める人と求めれたい人が往々出会わないまま時を過ごしてしまいます。
それを結び付けられるとしたら…という思いも今回の「私でよければ。」という話の裏にはあるのです。

写真は何をどうとるべきなのか。自分は何を撮りたいのかなどという問いとともに
写真に何ができるか。 これも私にとって大切な問いなのです。
写真を撮ることを通じて求め合える人たちを結ぶということができれば、これもまた愉快だなあと・・・。

私の写真にそういう小さな力があればいいなあ。
下の写真は染料の色の調合をしているところです。
- 2015/04/18(土) 00:04:53|
- 染色
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コメントありがとうございます。
ご自身の仕事を受けて、次の仕事をされている人の姿を見るのはどんなお気持ちですか。
自分の仕事が人によってさらに生かされていくというのは心躍ることでしょうね。
働く人をもっともっと撮りたいと思っています。
- 2015/04/19(日) 20:47:55 |
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- soujyu2 #-
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