「100人のポートレート」と聞いて、初めは写真かなと思って関心を持ちました。
しかし、フライヤーをよく読むとそれは「絵」のようです。
日頃いろいろな会場で絵を見せていただきながら「人物を描く人が少ないのはなぜだろう。描かれる人物の人柄が捨象されているモノが多いのはなぜなんだろう。」と思うことがしばしばでしたから、なおさら興味を持ちました。

この方は来日して3年とのことです。そしてこの一年間で100人のポートレートを描かれたのです。
しかも?ご覧のようにベニヤ一枚分大きさにです。
描かれたのは京都府下の美山などです。

そこに取りあげられているのは実にさまざまな方々で、まさに老若男女、仕事も様々です。
小学生もいれば剣の達人も、祭り装束の人も、絞りの職人さんも、大工さんも・・・・・・。
私が何より感心したのは、その範囲に制限がなく、いわゆる著名な人を描いて人を描いたと思いこむ姿勢がみじんもないことです。

お話をしていて耳に残ったのは「ヒューマン」という言葉でした。
一人ひとりを人として描くということに徹しておられました。
それにしても一週間で二人のペースで人に会いその方を描くというのは、お願いして承諾を得るのも、日程の調整をするのも大変なことでしょう。
私のように偶然に出会って撮らせていただくというのとは違い、また写真と違って?それなりの時間をいただかねばならないでしょうから。
会場にはモデルになった方々が三々五々来られていて、作者と久しぶりの交歓をされていました。
ふと見ると私が撮らせていただいたことがある絞り(本疋田の名人)の職人さんも来ておられました。
人々に対するヒューマンな関心の深さを強く感じました。
そしてたまたま来ておられたモデルになった方たちを見て、実によくその特徴が描かれているなあ、と思いました。
無論単なる似顔絵ではありません。個性が描かれているのです。
多くは正面から描かれています。
この大工さんもそのお一人。

スタジオに招いて描かれたモノも、またご当人の工房や労働の場で描かれたモノも様々ですが、観光で知られた京都にとらわれない日本の人々が描かれている素晴らしさを思いました。
- 2014/09/20(土) 00:03:38|
- 絵画
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京都を根拠としたアーティストにも様々な人がいらっしゃるんですね。
私の故郷飛騨高山にも碧い眼の朝市売り子さんが現れました^^
京都と高山はどこか似たところがあるように思えますσ(゚ー^*)
- 2014/09/20(土) 21:18:45 |
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- まり姫 #8m8hig/.
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ご本人には撮影とブログへの掲載を承諾していただいていますから良いのですが、たまたまそこに居られたお客さんにははなしかけられず承諾を得ていません。ですので、大変失礼なんですがその方を特定できるような画像にはしないということで目を隠しています。
ちょっと言い訳じみたやり方で姑息と言えば言えるのですが。
- 2014/09/21(日) 00:01:06 |
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- aujyu 2 #-
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